入れ歯
痛くない良く咬める入れ歯、総義歯とは
合わない入れ歯でお困りの方はいませんか?
せっかく作っても痛くて使わなければ、かみ合わせはどんどん悪くなっていきます。
本当に咬める入れ歯は、正しい下顎の位置で咀嚼運動を妨げず、上下の義歯がよく咬み合う状態にあることです。
咬める入れ歯の必要条件
(1) 正しい下顎の位置
(2) 生理的な口腔内の状態を再現
(3) 生理的な咀嚼運動を妨げず、なおかつ上下の
義歯が良く咬み合う状態にある
義歯(入れ歯)は義足と同じ
天然歯には歯根膜などの三叉神経が通っています。義歯にはこの神経が通っていません。その為、歯根膜逃避反射という障害物を避ける機構がないのが義歯の特徴の1つです。
例えば、ご飯の中に石粒が入っていても、天然歯なら瞬時に咬むのをやめますが、義歯ではそうはゆきません。少しでも異常な歯並びや歯冠形態をしていると引っかかってしまい、義歯をズラしてしまうので「咬めない、痛い」などの症状がでてしまいます。
生理的な口腔内の状態を
無視した従来の入れ歯
(歯槽頂間線の法則)
一般的な義歯は歯槽頂間線の法則(図1)で作られています。これは、力学的に義歯が転覆しないようにと考えられているのです(図2)が、この状態では噛む時に(図3)のようになってしまい、咬めないのは当然なのです。
上顎第2大臼歯舌側咬頭の形態異常
咀嚼運動を妨げない形、歯冠形態に修正
咀嚼運動の回復
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01
正しい下顎の位置 - 下顎の位置が正しいと左右の咀嚼筋のバランスが良くなり、筋力が100%力を発揮できるようになります。逆に下顎の位置が悪いと筋力が落ちるだけでなく、首や肩が凝ったり脳の働きが低下したりすることにつながる危険性があります。
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02
生理的な口腔内の
状態を再現 - 一般的な義歯は義歯の吸着力が増すようにと義歯をやたらと大きく作る傾向がありますが、本来の義歯のあるべき状態とは口腔内の生理的な状態を再現することなのです。ですから、可及的に小さく、頬や唇の動きを阻害しないニュートラルな状態であるべきです。
治療の流れ
治療の流れ
「入れ歯がかめない」と悩んで来院された患者さんの模型写真です。図2のような一般的な法則に基いて下歯が上歯より外側にあるのが判ります。
一般的な義歯作りの法則からは外れていますが、ヒトとしての生理的な口腔内を再現した状態です。
治療例
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①主訴
義歯の不具合
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②問題点
・残存する歯に対合する歯がない
・下顎残存歯の傾斜が進んでいる -
③解決策
・残存する歯の上下左右前後の位置バランスを計り移植を行う。必要に応じて臼歯は分割する。
・傾斜している歯の軸を咬合力がかかる一方向に整える。 -
④治療方針
まず、歯の喪失とともに生じた下顎位のズレを顎位矯正で矯正した後、左上中切歯を左上臼歯部後方へ左下大臼歯を分割して右下臼歯部後方へ各々移植。義歯は着脱時に歯を揺らす力が掛かりにくいコーヌス義歯とした。義歯床部分は歪みが少なく適合性に優れ薄く快適な金属床とし、人工歯は下は審美性を考え陶歯として上は咀嚼及び適合性・再現性・耐久性から金を咬合面に付与することとした。
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⑤治療及び治療期間H12.8.22 丸山剛郎教授による顎位診断
H13.1.17 ~顎位矯正
H13.1.18 仮義歯作成H13.1.25左上中切歯を左上臼歯部後方へ移植
左下大臼歯を分割し右下臼歯部へ移植H13.5.16H13.9.27 義歯完成装着
H13.6.13
H13.7.11 丸山剛郎教授による義歯チェック
22年前、根洗町の冨安歯科医院に丸山剛郎教授がサテライト医院として回診に来られていた時に顎位診断を受け、その後顎位の安定を図るべく歯の自家移植をして義歯は適合性・耐久性・審美性・残根歯への負担や長期に渡る咀嚼の維持を考えた最高の義歯ができました。患者さんは当時、退職金の大金を投資しましたが、1つの入れ歯で20年以上もの長期に渡り健康が維持できたのは最高の義歯と患者さんのメンテナンスへの理解と努力の賜物。20年以上経った今も首コリ肩コリ・頭痛などほとんど無い快適な生活と食生活を送られていらっしゃいます。