顎関節症
下顎位の治療と
咬合再付与(リシェイピング)
顎の痛み、開口障害(顎運動障害)、音(開口時に顎が鳴る)などこのような顎の不調でお悩みでしたら、
もしかしたら、顎関節症かもしれません。
かみ合わせが悪くなると下顎の位置がズレ、下顎の異常な動きにより痛みが現れます。
当院では下顎の位置とかみ合わせをリシェイピングすることにより症状を改善していきます。
顎関節症の症状
主な症状
- ・口を開ける時に痛くて思いっきり開けられない
- ・物を噛む時に痛い
- ・口は開くには開くが3cm程度しか開かない
- ・握り寿司が一口で食べられない
(ネタとシャリとを分けないと食べられない) - ・開閉口時にジャリジャリもしくはシャリシャリという音がする
- ・口を閉じる時に痛い
- ・開口時にカックンという大きな音がする
- ・あくびができない
- ・耳の前方に鋭い痛みがある
顎関節症の原因
下顎骨の位置のズレや異常な顎運動によって引き起ります。
原因の原因として以下のことが考えられます。
虫歯、歯周病(歯槽膿漏)、歯列不正(不正な歯の形態)、不正な補綴(詰物・被せ物)、習癖(食い縛り・寝相・頬杖など)
顎関節症のメカニズム
-
下顎の位置がズレる
虫歯・歯列不正・歯の欠損・異常な歯の被せ物・入れ歯などが原因となって下顎がズレる。
-
下顎の異常な動き → 痛み
下顎を動かす筋肉(外側翼突筋)が過度に緊張、乳酸が溜まることで凝りが発生、痛みが現れる。
-
放置すると・・・
・関節円板に異常
・滑液の不活性化
・炎症を招き、骨の変形へ
関節に過度な負荷は、軽微でも繰り返されることで深刻化。
顎関節症の病状
01
筋関節症- 口を開ける時に痛くて思いっきり開けられない、口を閉じる時に痛い、物を噛む時に痛い
02
顎内症(顎関節内部障害)-
■ 復位性関節円盤前方偏位
ズレ落ちていた関節円盤※1が開口時に下顎の関節の上に乗る(復位する)
※1…関節円盤:下顎と上顎の関節の間にあるクッションのような組織主な症状開口時にカックンという大きな音がする。
-
■ 非復位性関節円盤前方偏位
以前に開口時に音がしていたが、最近しなくなった(関節円盤が下顎の関節からズレ落ちたままになってしまった状態)
主な症状口は開くには開くが3cm程度しか開かない。
-
■ クローズドロック
ズレ落ちた関節円盤が開口時に下顎の関節に引っかかってそれ以上まったく開口できない状態
主な症状口は1cm程度しか開かない。
-
■ クローズドロックの陳旧化
掛かっている関節円盤の後部結合組織という靭帯がどんどん伸びてしまうことで少しずつ開口できるようになるが本来の開口量には至らない状態。
主な症状あくびができない、握り寿司が一口で食べられない(ネタとシャリとを分けないと食べられない)など。
03
骨関節症-
■ 負担過重型
■ クローズロック型主な症状耳の前方に鋭い痛みがある、開閉口時にジャリジャリもしくはシャリシャリという音がする。
治療の流れ
第一段階 (一次治療)
「M.F.A.」という装置をします。
これは患者さんの歯の型と顎の位置を基に、本来あるべき正しい位置に顎が固定されるように作られています。プラスチックで出来たマウスピースのような外観ですが、マウスピースが歯牙を守る物であるのに対しM.F.A.は顎の位置を矯正する装置なので全く異なっています。
この「M.F.A.」を食事以外の時間は出来るだけ装着して頂くと、徐々に身体が新しい顎の位置を学習していきます。概ね、3ヶ月ほどで新たな顎の位置で安定しだすので、それが確認されたらその時点でもう一度診査を行い、この結果を分析し、更に顎位の矯正が必要な場合は次の段階に進みます。
術中診査
顎の位置が正しい位置(装置の位置)に安定しているのか診査します。
第二段階 (二次治療)
顎の位置が正しい位置(あるいはそれに近い状態)に安定したところで、術中審査を行い今後の治療を選択していきます。
- (1) リシェイピング
- 顎の位置を良い位置で維持するためには歯の状態も関係してきます。安定を阻害する悪い形の歯があれば本来あるべき正しい歯の形に治して、治療を進める事が望ましいでしょう。
- (2) 被せ物による治療
- 顎の位置を良い位置に誘導し、良く咬めるようにする為の治療。
治療スケジュール
リシェイピング治療例
シロナソグラフなどで噛み合わせを調べた後に、歯の異常な形の部分を正常に整える治療法です。
上顎第2大臼歯舌側咬頭の形態異常
咀嚼運動を妨げない形、歯冠形態に修正
青とオレンジ色が患者さんの顎の動きです。
顎の動きがなめらかに、
正常になってきたのが分かります。